中華民国法律
特許法 (第41条〜第60条)
第41条
発明特許出願人は、その出願の公開後、かつて発明特許出願内容について文書をもって通知したにもかかわらず、通知後の公告前に依然として該発明を商業上実施し続けているものに対し、該発明特許出願の公告後、適当な補償金の支払いを請求することができる。
既に公開された発明特許出願であることを明らかに知りながら、公告前に該発明を商業上実施し続けたものに対しても、前項の請求を行うことができる。
前2 項の規定による請求権は、その他の権利の行使に影響しない。
第2 項の補償金の請求権は、公告日から2 年以内に行使しなければ消滅する。
第42条
特許専門機関は、発明特許を審査する際、請求或いは職権により、期限を定めて次の各号の事項を行うよう出願人に通知することができる。
1. 特許専門機関に赴き面談を行う。
2. 必要な実験を行い、模型又は見本を追加する。
前項第2 号の実験、追加された模型又は見本について、特許専門機関が必要と認める場合は、現場又は指定した場所で実地検証を行うことができる。
第43条
特許専門機関は、発明特許の審査の際、本法で別途規定がある場合を除き、請求或いは職権により、期限を定めて明細書、特許請求の範囲又は図面を補正するよう出願人に通知することができる。
補正は、誤訳の訂正を除き、出願時の明細書、特許請求の範囲又は図面に開示されている範囲を超えてはならない。
特許専門機関が第46 条第2 項の規定により通知した後、出願人は通知された期間内にのみ補正することができる。
特許専門機関は、前項の規定により通知した後、必要があると認めた場合、最終通知を行うことができる。最終通知がなされた場合、出願人は通知された期間内のみにおいて、次の事項について特許請求の範囲を補正することができる。
1. 請求項の削除
2. 特許請求の範囲の縮減
3. 誤記の訂正
4. 不明瞭な記載の釈明
前2 項の規定に違反する場合、特許専門機関は査定書にその事由を明記して、直ちに査定することができる。
原出願又は分割後の出願に、次のいずれかの事由が一つでもある場合、特許専門機関は、直ちに最終通知を行うことができる。
1. 原出願に対して行う通知が、分割後の出願において既に通知されている内容と同じ場合。
2. 分割後の出願に対して行う通知が、原出願において既に通知されている内容と同じ場合。
3. 分割後の出願に対して行う通知が、その他の分割後の出願において既に通知されている内容と同じ場合。
第44条
明細書、特許請求の範囲及び図面について、第25条第3項の規定に基づき、外国語で提出した場合、その外国語書面は補正することができない。
第25 条第3 項の規定により補正する中国語翻訳文は、出願時の外国語書面に開示されている範囲を超えてはならない。
前項の中国語翻訳文につき、その誤訳の訂正は、出願時の外国語書面に開示されている範囲を超えてはならない。
第45条
発明特許出願について審査した後、査定書を作成して出願人に送達しなければならない。
審査を経て拒絶査定となる場合は、査定書に理由を記さなければならない。
査定書には特許審査員の署名がなければならない。再審査、訂正、無効審判、特許権権利存続期間の延長及び特許権権利存続期間延長の無効審判の査定書も同様とする。
第46条
発明特許出願が第21 条から第24 条、第26 条、第31 条、第32 条第1項、第3 項、第33 条、第34 条第4 項、第43 条第2 項、第44 条第212項、第3 項又は第108 条第3 項の規定に違反する場合、特許拒絶査定を下さなければならない。
特許専門機関は前項の査定前に、期限を定めて答弁するよう出願人に通知しなければならない。期限が過ぎても答弁が行われなかった場合は、直ちに特許拒絶査定を下すものとする。
第47条
特許を出願した発明につき、審査を経て拒絶すべき事由がないと認めた場合、特許を付与するものとし、並びにその特許請求範囲及び図面を公告しなければならない。
公告された特許については、何人もその査定書、明細書、特許請求範囲、要約、図面及び全ファイル資料の閲覧、抄録、撮影又はコピーを請求することができる。但し、特許専門機関が法に基づき秘密を保持しなければならない場合には、この限りでない。
第48条
発明特許出願人は、拒絶査定に不服がある場合、査定書送達後2 ヶ月以内に理由書を備えて再審査を請求することができる。但し、出願手続の不適法又は出願人不適格の理由で不受理又は却下された場合は、直ちに法に基づき行政救済を請求することができる。
第49条
出願について第46条第2項の規定に基づき特許拒絶査定が下された場合、その再審査時において、依然として明細書、特許請求範囲又は図面を補正することできる。
出願について審査を経て最終通知が発せられ、特許拒絶査定が下された場合、該出願の再審査時に行われる補正は、依然として第43 条第4 項の各号の規定に基づき制限を受けるものとする。但し、特許専門機関の再審査を経て、原審査手続きで発せられた最終通知が不当であると認められた場合には、この限りでない。
次の各号のいずれかの事由があるとき、特許専門機関は直ちに最終通知を行うことができる。
1. 再審査理由に、依然として拒絶理由がある場合。
2. 再審査時に行った補正に、依然として拒絶理由がある場合。
3. 前項の規定により行った補正が、第43 条第4 項の各号の規定に違反する場合。
第50条
再審査時には、特許専門機関は原審査を行っていない特許審査員を指定してこれを審査させ、並びに査定書を作成して出願人に送達しなければならない。
第51条
発明を審査した結果、国防上の機密又はその他の国家安全に関わる機密に及ぼす恐れがある場合、国防部又は国家安全関連機関の意見を徴しなければならず、秘密の必要があると認められた場合、出願書類は封緘されるものとする。その出願に実体審査が請求されている場合、査定書を作成して出願人及び発明者に送達しなければならない。
出願人、代理人及び発明者は、前項の発明について秘密を保持しなければならず、これに違反した場合、該特許出願権を放棄したものとみなす。
秘密保持期間は、査定書が出願人に送達された日から1 年とし、1年ごとに秘密保持期間を延長することができる。特許専門機関は期間満了の1 ヶ月前に国防部又は国家安全関連機関に諮問し、秘密保持の必要がないと認められた場合は、直ちに公告しなければならない。
第1 項の発明が特許査定された場合、秘密保持の必要がなければ、特許専門機関は3 ヶ月以内に証書料及び1 年目の特許料を納付するよう出願人に通知しなければならず、前記費用が納付された後はじめて公告される。期間が満了しても費用を納付しない場合、公告されないものとする。
秘密保持期間に出願人が受けた損失について、政府はそれ相当の補償を与えなければならない。
第52条
特許出願された発明が特許査定された場合、出願人は査定書送達後3ヶ月以内に証書受領費及び1 年目の年金を納付しなければならず、前記費用が納付された後はじめて公告される。期間が満了しても費用を納付しない場合、公告されないものとする。
特許出願された発明は、公告の日より発明特許権が付与され、証書が交付される。
発明特許権の存続期間は、出願日から起算して20 年をもって満了とする。
出願人が故意にではなく、第1 項又は前条第4 項に定める期限内に費用を納付しなかった場合、費用納付期限満了後6 ヶ月以内に証書受領費及び1 年目の年金の2倍の額を納付した後、特許専門機関により公告されるものとする。
第53条
医薬品、農薬又はその製造方法に係る発明特許権の実施は、その他の法律の規定に基づき許可証を取得しなければならない場合、当該特許出願が公告された後に許可証を取得するとき、特許権者は1 回目の許可証を以て特許権存続期間の延長を1回に限り申請することができ、かつ、該許可証による特許権存続期間の延長申請は1 回に限る。
前項の延長許可の期間は、中央目的事業主務機関から許可証を取得するために発明を実施することができない期間を超えてはならない。許可証の取得期間が5 年を超える場合も、その延長期間は5年までとする。
第1 項にいう医薬品は、動物用の薬品に及ばない。
第1 項の申請は、申請書に証明書類を備え、最初に許可証を取得した日から3 ヶ月以内に特許専門機関に提出しなければならない。但し、特許権存続期間が満了する前6 ヶ月以内はこれをすることができない。
主務機関は、期間延長に関する審定について、国民の健康への影響を考慮し、中央目的事業主務機関と共同で審定の方法を定めなければならない。
第54条
前条の規定により特許権存続期間の延長を申請するとき、特許専門機関が原特許権存続期間満了時にまだ査定していない場合は、その特許権存続期間は延長されたものとみなす。但し、査定の結果、延長されない場合、原特許権存続期間の満了日までとする。
第55条
特許専門機関は、発明特許権存続期間の延長登録について、特許審査員を指定してこれを審査させ、査定書を作成して特許権者に送達しなければならない。
第56条
特許専門機関によって発明特許権存続期間の延長を許可する範囲は、許可証に記載されている有効成分及び用途が限定する範囲のみとする。
第57条
延長を許可された特許権存続期間が、次の各号のいずれかに該当すると認める場合、何人も証拠を添付して、特許専門機関に対し無効審判を請求することができる。
1. 発明特許の実施について許可証を取得する必要がない場合。
2. 特許権者又は実施権者が許可証を取得していない場合。
3. 延長を許可された期間が、実施できない期間を超えている場合。
4. 特許権存続期間の延長を申請した者が特許権者でない場合。
5. 延長を申請した許可証が最初の許可証ではない、又は該許可証がかつて延長されている場合。
6. 取得した許可証により承認された外国での試験期間に基づいて特許権存続期間の延長を申請した場合、その許可された延長期間が、該外国の特許専門機関が認可した期間を超えている場合。
7. 特許権の延長が許可された医薬品が動物用薬品とする場合。
特許権延長について無効審判の成立が確定した場合、もとの延長を許可された期間は初めから存在しなかったものと見なす。但し、前項第3号、第6号の規定に違反したために無効審判の成立が確定した場合は、その超過した期間は、延長していないものと見なす。
第58条
発明特許権者は、本法で別途規定がある場合を除き、他人がその同意を得ずして該発明を実施することを排除する権利を専有する。
物品の発明の実施とは、製造、販売の申し出、販売、使用、又は上述の目的で該物品を輸入する行為をいう。
発明方法の実施とは、次の各号の行為をいう。
1. 該方法を使用すること。
2. 該方法をもって直接製造した物品を使用、販売の申し出、販売、又は上述の目的のために輸入すること。
発明特許権の範囲は、特許請求範囲を基準とし、特許請求範囲を解釈する時には、明細書及び図面を参酌することができる。
要約を、特許請求範囲の解釈に用いることはできない。
第59条
発明特許権の効力は、次の各号の事項には及ばない。
1. 商業目的ではない未公開の行為。
2. 研究又は実験を目的として発明を実施するのに必要な行為。
3. 出願前に既に国内で実施されていたとき、又はその必要な準備を既に完了していたとき。但し、出願人が該発明を知り得てから6 ヶ月未満で、且つ出願人がその特許権を留保する声明をした場合は、この限りでない。
4. 単に国境を通過するにすぎない交通手段又はその装置。
5. 特許出願権者ではない者が取得した特許権が、特許権者による無効審判請求のために取り消された場合、その実施権者が無効審判請求前に善意で国内において実施していたとき、又はその必要な準備を既に完了していたとき。
6. 特許権者が製造した、又は特許権者の同意を得て製造した特許物品が販売された後、該物品を使用又は再販売したとき。上述の製造、販売は国内に限定されない。
7. 特許権が第70 条第1 項第3 号の規定により消滅した後、特許権者が第70 条第2 項により特許権の効力を回復し、且つその公告がなされる前に、善意で実施していたとき、又は必要な準備を既に完了していたとき。
前項第3 号、第5 号及び第7 号の実施者は、その原事業の目的範囲内に限り継続して利用することができる。
第1 項第5 号の実施権者は、該特許権が無効審判により取り消された後も、依然として実施を継続する場合、特許権者による書面の通知を受領した日から、特許権者に合理的な特許権使用料を支払わなければならない。
第60条
発明特許権の効力は、薬事法が定める薬物検査登録許可又は外国の薬物販売許可を取得することを目的として従事する研究、試験及びそれに必要な行為には及ばない。