中華民国法律

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特許法 (第61条〜第80条)

第61条
2 種類以上の医薬品を混合して製造された医薬品又は方法につき、その特許権の効力は、医師の処方箋により調剤された医薬品には及ばない。

第62条
発明特許権者が、その発明特許権の譲渡、信託、他人へ実施権の許諾、又は質権を設定する場合、特許専門機関に対し登記を行わなければ、第三者に対抗することができない。
前項の実施権は、専用実施権又は通常実施権とすることができる。
専用実施権者は実施許諾を受けた範囲内で、発明特許権者及び第三者による該発明の実施を排除する。
発明特許権者が、複数の債権を担保として、同一の特許権に複数の質権を設定する場合、登記の前後により優先順位を定めるものとする。

第63条
専用実施権者はその実施許諾を受けた権利を第三者に再許諾することができる。但し、契約で別途約定がある場合は、それに従うものとする。
通常実施権者は、発明特許権者又は専用実施権者の同意を得なければ、その実施許諾を受けた権利を第三者に再許諾することはできない。
実施権の再許諾は、特許専門機関に登記しなければ、第三者に対抗することができない。

第64条
発明特許権が共有である場合、共有者が自ら実施する場合を除き、共有者全員の同意を得なければ、他人に譲渡、信託、実施権の許諾、または質権の設定或いは放棄することはできない。

第65条
発明特許権の共有者は、その他の共有者全員の同意を得なければ、その持分を他人に譲渡、信託、又は質権を設定することはできない。
発明特許権の共有者がその持分を放棄する場合、該部分はその他の共有者に帰属する。

第66条
発明特許権者が中華民国と外国との間で発生した戦争により損失を受けた場合、一回に限り、5 年から10 年までの特許権存続期間の延長を請求することができる。但し、交戦国の国民の特許権である場合は、延長を請求することができない。

第67条
発明特許権者は、次の各号の事項についてのみ、特許明細書、特許請求範囲又は図面の訂正を請求することができる。
 1. 請求項の削除
 2. 特許請求範囲の縮減
 3. 誤記又は誤訳の訂正
 4. 不明瞭な記載の釈明
訂正は、誤訳の訂正を除き、出願時の明細書、特許請求範囲又は図面に開示されている範囲を超えてはならない。
第25 条第3 項の規定により、明細書、特許請求範囲及び図面を外国語で提出した場合、その誤訳の訂正は、出願時の外国語書面に開示されている範囲を超えてはならない。
訂正は、公告時の特許請求範囲を実質的に拡大又は変更してはならない。

第68条
特許専門機関は、訂正請求の審査について、第77 条の規定に基づく以外に、特許審査員を指定して審査を行い、並びに査定書を作成して出願人に送達しなければならない。
特許専門機関は、訂正を許可した後、その事由を公告しなければならない。
明細書、特許請求範囲及び図面が訂正公告された場合、出願日に遡って発効する。

第69条
発明特許権者は、実施権者又は質権者の同意を得なければ、特許権の放棄又は第67条第1項第1号又は第2号の事項における訂正の請求をすることができない。
発明特許権が共有である場合、共有者全員の同意を得なければ、第67条第1 項第1 号又は第2 号の事項における訂正の請求をすることができない。

第70条
次の各号のいずれかに該当する場合、発明特許権は当然消滅する。
 1. 特許権の存続期間が満了したとき、期間満了後から消滅する。
 2. 特許権者が死亡し、該特許権の相続人がいない場合。
 3. 2 年目以降の特許年金を追納期限の満了までに納付していない場合、該特許権は、本来の納付期限満了後から消滅する。
 4. 特許権者が自ら特許権を放棄する場合、その書面に示された日から消滅する。
特許権者が故意にではなく、第94 条第1 項に定める期限までに追納しなかった場合、期限満了後の1 年以内に、特許権の回復を請求することができ、並びに、3 倍の特許年金を追納した後、特許専門機関により公告するものとする。

第71条
発明特許権は、次の各号のいずれかの事由がある場合、何人も特許専門機関に対し、無効審判を請求することができる。
 1. 第21 条から第24 条、第26 条、第31 条、第32 条第1 項、第3 項、第34 条第4 項、第43 条第2 項、第44 条第2 項、第3 項、第67条第2項から第4項、又は第108条第3項の規定に違反する場合。
 2. 特許権者の属する国が中華民国国民の出願を受理しない場合。  3. 第12 条第1 項の規定に違反する場合、又は発明特許権者が発明特許出願権者ではない場合。
前項第3 号の事由をもって無効審判を請求する場合、利害関係者に限り、これを行うことができる。
発明特許権に対して無効審判を請求ができる事由は、その特許査定時の規定によるものとする。但し、第34 条第4 項、第43 条第2項、第67 条第2 項、第4 項又は第108 条第3 項に規定により無効審判を請求するときは、無効審判請求時の規定によるものとする。

第72条
利害関係者が特許権の取消について回復できる法律上の利益を有する場合、特許権の消滅後も、無効審判を請求することができる。

第73条
無効審判を請求するときは、無効審判請求の声明、理由を明記した無効審判請求書を備え、並びに証拠を添付しなければならない。
特許権に2以上の請求項がある場合、請求項の一部に対して無効審判を請求することができる。
無効審判請求の声明は、請求後に変更又は追加することはできないが、縮減することができる。
無効審判請求人は、理由又は証拠を補充する場合、無効審判を請求した後1 ヶ月以内にこれを行わなければならない。但し、無効審判審決前に提出した場合には、依然として、これを斟酌しなければならない。

第74条
特許専門機関は、前条の無効審判請求書を受理した後、該無効審判請求書の副本を特許権者に送達しなければならない。
特許権者は副本の送達後1 ヶ月以内に答弁しなければならない。予め理由を説明して延長が認められた場合を除き、期限を過ぎても答弁していないときは、直ちに審査に付する。
無効審判請求人が補充した理由又は証拠により審査を遅滞させるおそれがある場合、又はその事実証拠が既に明らかである場合、特許専門機関は直ちに審査に付することができる。

第75条
特許専門機関は、無効審判を審査するとき、無効審判請求の声明の範囲内において、職権で無効審判請求人が提出していない理由及び証拠を斟酌することができ、並びに、期限を指定して答弁するよう特許権者に通知しなければならない。期限を過ぎても答弁がない場合、直ちに審査に付する。

第76条
特許専門機関は、無効審判を審査するとき、請求又は職権により、特許権者に期限を指定して次の各号の事項を行うよう通知することができる。
 1. 特許専門機関に赴いて面談する。
 2. 必要な実験を行ったり、模型又は見本を補充する。
前項第2 号の実験、模型又は見本の補充について、特許専門機関は必要と認めるとき、現場又は指定した場所で実地検証することができる。

第77条
無効審判請求の審査期間において訂正請求がある場合、合併審査及び合併審決を行わなければならない。該訂正請求につき、特許専門機関により訂正が認められた場合、訂正した明細書、特許請求範囲又は図面の副本を無効審判請求人に送達しなければならない。
同一の無効審判請求事件の審査期間に、2以上の訂正請求がある場合、先に提出した訂正請求は、取り下げられたものとみなす。

第78条
同一の特許権に複数の無効審判請求事件がある場合、特許専門機関が必要と認めるとき、合併審査をすることができる。
前項の規定により合併審査をした無効審判請求は、合併審決をすることができる。

第79条
特許専門機関は、無効審判を審査するとき、特許審査員を指定して審査を行い、並びに審決書を作成して特許権者及び無効審判請求人に送達しなければならない。
無効審判の審決は、各請求項について、それぞれ行わなければならない。

第80条
無効審判請求人は審決前に無効審判請求を取り下げることができる。但し、特許権者が答弁を既に提出している場合、特許権者の同意を得なければならない。
特許専門機関は無効審判請求が取り下げられた事実を特許権者に通知しなければならない。通知送達後10 日以内に、特許権者が反対を表明しない場合、取り下げに同意したものとみなす。
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